
銀行業界におけるAI活用が進んでいます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)デジタル企画部部長の相原寛史氏は、10年後までには銀行業務の4割はAIで代替可能だと述べています。
定型業務の多い銀行はAIが活躍できる幅が広いということです。
そこで今回は、銀行におけるAI活用をご紹介していこうと思います。
目次
銀行の仕事にはどんなものがあるの?
そもそも一口に銀行業務といっても、銀行の仕事にどんなものがあるのでしょうか。
銀行業務はお金を預かる以外にも、資金が不足している企業への融資や企業の買収関連業務、国内外への送金、為替など多岐にわたります。
以下が銀行業務の例
- 融資業務
- 顧客対応
- M&Aアドバイザリー
- 預金管理
- 金庫管理
- 為替ヘッジ
- 送金
- 一般事務 など
AIが銀行員の仕事を奪う?
「AI=仕事を奪うもの」との認識を持っている人は依然として多いのではないでしょうか。
その背後にはメガバンクが相次いで発表する大規模なリストラ報道があります。
人員削減を発表する大手銀行
AIによる業務効率化の影響で銀行は次々と人員削減を発表しています。
例えば、みずほフィナンシャルグループは2026年末までに全従業員の3割にあたる1万9000人を削減すると発表しました。
また、三菱UFJフィナンシャルグループは営業部門への配置転換に伴って、銀行本部に所属する約6000人の従業員を約3000人まで縮小するとのことです。
そして、三井住友フィナンシャルグループは中期経営計画で5000人分の業務量削減を発表しました。
このように、メガバンクを中心に過去最大規模の人員削減が銀行業界で起きようとしています。
そして、今後、AIが導入されていく一方で、銀行員は仕事を奪われてしまうのではとの見方が広がるようになりました。
定型的な業務が経営を圧迫
しかし、なぜ銀行でAIの活用が広がっているのでしょうか。
その大きな要因として、銀行経営を圧迫する定型業務があります。
銀行の業務は他業界に比べて、定型業務が多いのが特徴です。さらに、お金を扱うため小さなミスも許されず、正確さと根気が求められます。
そのため、今後は定型業務をいかに効率化し、銀行員がクリエイティビティを発揮できるような仕事へと業務をシフトさせていくかが課題となっています。
銀行員の仕事の変遷
ATMが誕生しても銀行員は減っていない
本当にAIが発達すれば銀行員は不要になるのでしょうか。
その問題を考えるにあたって一つの重要な事実があります。ATMの誕生です。
日本にATMが普及し始めたのは昭和52年のことでした。
それまで銀行といえば実際に支店などの窓口へ行き、銀行員と対面して手続きを行うのが一般的でした。
それがATMの普及により、対面でなくても各種手続きをできるようになったことで世間に大きな衝撃を与えました。
そして、今までのように店舗に人を配置する必要がなくなり、「コスト削減のために銀行員のリストラが進むのでは」との見方も広がりました。
しかし、実際は銀行員の数は変わっていません。
ATMではできないような手続きは残りましたし、店舗では銀行員が依然として必要とされました。
というのも、行内のお金の管理やドキュメント処理業務、顧客対応などまだまだ当時の技術では自動化できない部分も多かったからです。
そういったことを踏まえると、AIの場合も同様に、銀行員の失業にはつながらないと言えます。
今まで以上にクリエイティブ分野に集中できるように
AIで銀行業務が効率化されると、銀行員は今まで以上にクリエイティビティを仕事の中で発揮したり、融資などの利益のある業務に集中できるようになります。
銀行業務に定型業務が多いといっても、人間ならではの仕事は依然として存在します。
例えば、顧客との細かいコミュニケーションや相手の状況に応じた臨機応変な対応などは依然と人間の柔軟な対応力が求められます。。また、市場や顧客のニーズに合わせて新しい金融商品や取引形態を生み出すなど、創造性を生かし、銀行を成長に導く仕事をすることもできます。AIが銀行業務に導入されると、仕事が奪われるのではなく、仕事内容も変遷していくと予想することができます。
銀行でのAI活用事例5選
顧客対応
みずほ銀行におけるチャットボット活用

引用:https://www.shinjukuparktower.com/shops/shopdata/mizuho.html
みずほ銀行は顧客とのコミュニケーションにチャットボットを導入し、自動化しています。
銀行には日々、大量の問い合わせが顧客から寄せられるため、それら全てに対応するのは大きな業務負担になります。
また、人が対応していると電話がつながらなかったり、深夜は営業時間外など顧客にとっても不便な部分も多いです。
そこで、チャットボットを導入することで24時間対応できるようになったのと同時に、オペレーターの大幅な業務効率化につながりました。
金融商品レコメンドシステム
地方銀行5社によるAIレコメンド

地方銀行5社(群馬銀行、四国銀行、千葉興業銀行、筑波銀行、福井銀行)は顧客に対して、AIによって最適な金融商品をレコメンドする取り組みを始めました。
金融商品に高いニーズを持つ顧客をAIを生かして抽出し、現場の営業活動に役立てることで収益力向上につなげます。
金融緩和の影響で業績の悪化に苦しむ地銀にとって起死回生の策になるのではないでしょうか。
融資業務
三菱UFJ銀行がAIで住宅融資の審査を

引用:https://dainagoyabuilding.com/shops/view/302/
三菱UFJ銀行はAIで住宅ローンの審査を行う「住宅ローンQuick審査」を始めました。
少ない項目を入力するだけで住宅ローンの審査を事前に行うことができ、最短15分で結果を確認することができます。
そして、その後の住宅ローンに関する手続きは全て顧客のスマホやPCで行え、利便性が向上しました。
自動翻訳
八十二銀行が外国人向けのAI翻訳サービスを導入

引用:https://kaiyaku99.com/5306/
グローバル化による外国人利用者の増加に伴い、八十二銀行はAI翻訳サービスを導入します。
小さな端末に話しかけるだけで、AIが音声分析機能で内容を理解し翻訳してくれます。
顧客とのコミュニケーションが円滑化することで、顧客満足度向上とともに業務効率化を図ることができます。
ドキュメント処理
みずほ銀行が紙帳票をAI−OCRで処理

引用:https://gardenplace.jp/shop/detail.php?id=42
みずほ銀行は紙帳票をOCRで自動処理する取り組みを始めました。
膨大な量の紙帳票を全て手作業でパソコンに入力するのは銀行員にとって大きな負担です。
しかし、その作業をAIで全て自動化できれば銀行員は他の業務に集中できるようになり、業務負担の軽減につながります。
まとめ
AIが進歩するにつれて、銀行業界の仕事も日々変遷しています。
今まで銀行員を圧迫していた定型業務もAIによって効率化され、今まで以上にクリエイティビティが求められる時代が訪れつつあります。
そして、今後もAIの発展に伴って、今まで以上に銀行業務にAIが活躍する幅が広がっていくと期待できます。
慶應義塾大学商学部に在籍中
AINOWのWEBライターをやってます。
人工知能(AI)に関するまとめ記事やコラムを掲載します。
趣味はクラシック音楽鑑賞、旅行、お酒です。






















